判例 永住不許可処分取消請求控訴事件

永住不許可処分取消請求控訴事件(原審・長野地方裁判所平成17年(行ウ)第17号)

裁判年月日  平成19年7月17日

裁判所名  東京高等裁判所

分野  行政

 

判示事項

在留期間3年の定住者資格更新の許可を受けながら日本に居住してきたペルー国籍の者がした永住許可申請に対し,法務大臣がした永住不許可処分の取消請求が,認容された事例

 

裁判要旨

在留期間3年の定住者資格更新の許可を受けながら日本に居住してきたペルー国籍の者がした永住許可申請に対し,法務大臣がした永住不許可処分の取消請求につき,同人は出入国管理及び難民認定法22条2項の永住許可の一般的要件を満たしていると認められるところ,法務大臣は,前記申請に際して,同人が訴外の男性を自分の兄であるとの虚偽の資料を提出したものではないのに,虚偽の資料を提出した,あるいはその疑いがあるとの事実誤認に基づき前記不許可処分をしたものといわざるを得ず,また,同人が社会保険等に加入していないことを消極的要素として考慮して,そのことのみを理由に不許可とすることは,少なくとも同人の姉らに対する永住許可と異なる取扱いをすることになるのであり,裁量権の範囲の逸脱又は濫用に当たるといわざるを得ないから,前記不許可処分には法務大臣の裁量権を逸脱,濫用した違法があるとして,前記請求を認容した事例。

 

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