安定かつ成熟した婚姻関係の実態があったにもかかわらず,控訴人にとって不利な情状のみを殊更重視したとして,違法を認め,同処分を取り消した事例

事件番号

 平成28(行コ)94

事件名

 退去強制令書発付処分等取消請求控訴事件

裁判年月日

 平成29年9月28日

裁判所名・部

 名古屋高等裁判所  民事第4部

結果

 

原審裁判所名

 名古屋地方裁判所

原審事件番号

 平成27(行ウ)131

原審結果

 棄却

判示事項の要旨

 不法入国をしたイラン国籍を有する外国人男性に対し,法務大臣から権限の委任を受けた入国管理局長がした出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく異議の申出には理由がない旨の裁決及び入国管理局主任審査官がした退去強制令書発付処分につき,控訴人とブラジル人女性(日本人の子として「日本人の配偶者等」の在留資格を有する。)との間に安定かつ成熟した婚姻関係の実態があったにもかかわらず,その実態を十分に把握せず,又は同関係及び上記処分による控訴人ら家族等の不利益を軽視する一方で,控訴人にとって不利な情状のみを殊更重視したとして,裁量権の範囲を逸脱又は濫用した違法なものであることを認め,同処分を取り消した事例

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