内縁としての夫婦関係が成立していたにもかかわらず,控訴人を帰国させることは,裁量権の範囲を逸脱又は濫用した違法なものとした事例

事件番号

 平成29(行コ)49

事件名

 退去強制令書発付処分無効確認等請求控訴事件

裁判年月日

 平成30年4月11日

裁判所名・部

 名古屋高等裁判所  民事第4部

結果

 

原審裁判所名

 名古屋地方裁判所

原審事件番号

 平成28(行ウ)64

原審結果

 

判示事項の要旨

 不法残留のフィリピン国籍を有する外国人女性である控訴人に対し,法務大臣から権限の委任を受けた入国管理局長がした出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく控訴人の異議の申出には理由がない旨の裁決及び入国管理局主任審査官がした退去強制令書発付処分につき,控訴人と永住資格を有する日系2世のブラジル人男性との間に安定かつ成熟した内縁としての夫婦関係が成立していたにもかかわらず,これを看過し,ひいては控訴人をフィリピンに帰国させることによる控訴人や内縁の夫が受ける重大な不利益に想到することのなかった一方で,控訴人の不法残留や不法就労等をことさら重大視したものとして,裁量権の範囲を逸脱又は濫用した違法なものであり,その違法性は重大かつ明白なものであると認め,同裁決及び同処分の無効確認請求を認容した事例

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